HSPに営業の仕事は向いていないのか【元HSP営業マンの答え】

2020-08-02

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悩んでいる人
HSPだけど、営業の仕事をしています。毎日ミスばかりして怒られるし、仕事も遅いので申し訳ない気持ちにもなります。このまま続ける自信がないのですが、どうしたら良いのか分かりません・・。
悩んでいる人
HSPだけど、営業職に興味があります。でも繊細なHSPには営業は向かないって聞くし・・。実際どうなんだろう。


こんなお悩みに答えます。

HSPでありながら営業職を2年ほど務めた私が、どんなときに辛いと感じ、どんなときにHSPの強みを活かせたと感じたかをお伝えします。

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、中度のHSS型HSPです。
向いていないと思いつつも営業職に就職し、1年9ヶ月務めました。


今回は、私が営業職で苦労したことも含め、HSPがどんな点で営業職に向いているのか向いていないのかについて、解説していきます。

毎日が辛くて悩んでいる方、これから営業職に挑戦してみたい方は、ぜひお役立てください。


HSPが営業職に向いていないと言われる6つの理由


アクティブで体育会系な人が多いイメージの「営業職」は、繊細なHSPには向かないとよく言われます。

その理由は、主に下記の6つです。

ノルマがある

電話営業(テレアポ)がある

対面営業がある

効率・結果重視の業務内容

商品に自信がなくても販売する必要がある

休日もお客さんから連絡がくる


それでは、順番に詳しく見ていきましょう。

ノルマがある


「営業」=「ノルマがある」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

営業は、売り上げを上げることが目的なので、数字を伸ばすことが求められるのは必然です。

ただ、HSPにはこうしたノルマがプレッシャーとなり、仕事そのものにストレスを感じやすくなってしまうのですね。

ちなみに私が行っていた営業では、ノルマといったものはないのですが、社員が少ないこともあり一人一人の責任が大きいです。

そのため、自身で最低限ここまではという目標を立てて営業をする必要がありました。

それだけでも、かなり精神的にはプレッシャーを感じていました・・。

電話営業(テレアポ)がある


営業は、テレアポ(テレアポイント)から始まるという会社も少なくないでしょう。

訪問前にお客さんに電話をして、お会いする時間をいただけないかお願いをする業務ですね。

この電話営業、HSPにはかなり苦痛です。

というのも、会ったこともない人と「声」だけの情報でやり取りをするので、相手がどんな人かを探ることにも神経を使います。

さらには、他者の気持ちの動きに敏感なHSPならではの、下記のような考えも押し寄せてきます。

「断られたらどうしよう・・」怒鳴られたらどうしよう・・」「迷惑に思われるだろうな・・」

私もテレアポをすることはありましたが、上記のような考えで毎回ストレスを感じていました・・。

対面営業がある


営業は、人対人の仕事が基本です。

打ち合わせなどでもお客さんと顔を合わせる必要があります。

HSPの人は、こうした対人でのやり取りが苦手な場合も多く、緊張感や不安感でストレスを感じてしまいます。

まして、相手が初対面の場合はなおさらです。

私自身も基本的に飛び込み営業がメインだったため、ほとんどが初対面のお客さんでした。

「訪問先に迷惑をかけないかな・・」と考えることもありますし、だからこそできるだけお客さんの都合の良い日時に配慮して声をかけることを心がけていました。

これは、HSPが持つ相手への気遣いを逆に利用している部分でもありますね。

効率・結果重視の業務内容


営業という職種には、効率の良さと結果が求められます。

逆に言えば、これらをクリアできれば営業としての責務は果たせたと言っても過言ではないでしょう。

しかしながら、自分のペースで物事を進めることが向いているHSPにとって、このようなスピードを求められる仕事にプレッシャーを感じる場合が多いです。

私も、営業をする中でいかに効率的に回れるか、ということを常に考えて動いていました。

必ずしも結果がそれに伴うということはありませんが、とにかく声をかけなければ結果も出せないので、ひたすら動くといった感じです。

なかなか結果を出せないでいると、かなり切羽詰まった感じでストレスを感じがちでしたね・・。

商品に自信がなくてもおすすめする必要がある


営業は、商品を販売することが目的です。

それは、たとえその商品に愛着がなくても同じです。

ですので、本当におすすめできるような商品でないにも関わらず、その商品をお客さんにおすすめしなければいけないという状況も考えられます。

仕事に使命感と自信を持って取り組みたいHSPにとって、こうした状況は罪悪感と嫌悪感によるストレスにつながりやすいです。

実際、私もかつて営業で売っていた商品に自信が持てず、お客さんにおすすめするのに罪悪感を感じていた時期がありました。

徐々にその商品の必要性などを認められるようになり、営業に対する考え方は変わったものの、やはり拭い切れていない罪悪感のようなものはずっと感じていました。

休日もお客さんから連絡がくる


営業は、自分の会社が休みの日でもお客さんからの連絡に対応する必要があります。

そのため、休日でも普通に仕事の連絡が入るので、仕事とプライベートの時間をきっちりと分けることができません。

自分の時間をきちんと確保したいと思うHSPにとって、休みの日にまで仕事に対応することには当然ストレスを感じます。

私も、休日によくお客さんから連絡が入りました。

メンタル的には大ダメージですが、対応しないわけにはいかないので、泣く泣く対応していました・・。

貴重なプライベートの時間を遮られたときのストレスは、一時的であってもやはり大きいものでした。


HSPが営業職で活かせる3つの強み


さて、HSPが営業職に向いていないと言われる理由については、ここまでお話してきた通りです。

しかしながら、先ほど少しだけ触れましたように、HSPの強みを営業に活かすことだってもちろんできるのです。

具体的には、下記の3つの強みを活かすことができます。

洞察力

共感力

優しさ


これらは、HSPなら誰でも持っている繊細な人の特徴でもあります。

洞察力


HSPの特性の一つである「洞察力」。

物事を深く考えて処理する傾向があるHSPは、この力を営業職としてお客さんの課題解決に活かすことができます。

お客さんがどんなことに悩んでいて、どうすれば会社として役に立てるかを無意識レベルで考えることができるんですね。

そのため、お客さんにとっても会社にとっても良い選択を探すのに長けていると言えるでしょう。

私自身も、強度のHSPと比べると洞察力は鈍い方ですが、だからこそ私個人としてどうすればお客さんに貢献できるかを考えるように心がけていました。

会社としてお客さんの役に立てることがないと思ったら、個人で動いてしまえばよいという考えだからです。

そのくらい、とにかく相手の悩みを敏感に察知し、聞き出し、それを解決する方向へ持っていけるのがHSPの強みではないでしょうか。

共感力


HSPは、「共感力」が非常に高く、相手の気持ちを理解し寄り添うことが得意です。

そのため、営業職としてお客さんと向き合う際に、お客さんの課題に自分ごととして向き合うことができます。

結果、親身になって真剣に話を聞くことができるので、お客さんからの信頼を獲得できるわけです。

私も、営業では基本的にお客さんとの雑談を大事にしていて、そこから困っていることや悩んでいることを引き出すようにしていました。

そうすると、雑談に共感しながら話を聞くことができるので、お客さんに信頼してもらうという最初のステップをクリアしやすくなるのですよね。

このように、HSPが持つ共感力は、上手に使えば営業職にも十分に活かせます。

優しさ


「優しさ」の塊と言っても過言ではないHSP。

その優しさは、もちろん営業職のなかでも発揮することができます。

営業のイメージって、おそらく強引なイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、実は成功している営業マンってその真逆なのですよね。

自社の利益のために押し売りするスキルではなく、お客さんのこと第一に考える優しさから生まれるパートナーシップによって、お客さんを獲得しているんです。

優しい人が営業に向いていないと言われるのは、自社の商品に不満がある場合に営業するときに罪悪感を抱いてしまうからであって、決して優しさそのものがあだとなっているわけではありません。

むしろ、優しさを活かせる営業マンほど営業に向いている人はいないと思いますよ。


HSPに向いている営業職3選


さて、HSPの営業に活かせる強みも分かったところで、どんな営業職がHSPに向いているのか、見ていきましょう。

元営業マンとして個人的におすすめしたいのは、下記の3つです。

個人営業(1対1の営業)

既存・ルート営業(自社顧客への営業)

オンライン営業(対面なしでの営業)


それぞれ、刺激に敏感なHSPには優しい営業職かと思います。

順番に見ていきましょう。

個人営業(1対1の営業)


刺激に弱いHSPは、人が多い場所が苦手です。

それは仕事においても言えることで、できれば少人数でのやりとりで済む仕事の方が向いています。

そのため、HSPが営業職に就く場合は、組織ではなく個人のお客さんが相手だとかなり負担が減ります。

例えば、不動産会社などの営業は、個人相手なので仕事がしやすいかもしれませんね。

私は、個人も含め組織とのやりとりも多い営業でしたが、やはり組織相手だとかなり疲弊しましたね・・。

1対1でやりとりできる個人相手の方が、雰囲気も硬くなく話がしやすいというのもあるかもしれません。

既存・ルート営業(自社顧客への営業)


既存営業やルート営業は、すでに会社のお客さんになっている人を相手に営業をします。

この場合は、お客さんが自社商品の愛用者であるので、お互いが必要としあえる関係が既に構築されています。

相手の気持ちを確かめられない状態で営業をかける飛び込み営業とは違って、必要としている人に商品を届けることができるので、精神的には非常に楽でしょう。

かく言う私は飛び込み営業をしていたのですが、やはりお客さんを探すこと自体がそもそも難しく、門前払いだって日常茶飯事でしたよ。

当時はかなりメンタルがやられましたが、「このお客さんには必要がなかったみたい・・」と上手に自分を納得させることで気持ちが楽になりました。

ですが、やはりできるだけ既存のお客さん相手の営業の方が精神的に安定しますので、物好きな方以外は、私のような冒険はしなくてもよいかと思います・・。

オンライン営業(対面なしでの営業)


最近は、お客さんのところに直接訪問せずに営業ができるようにもなってきましたね。

特に、個人で働いているHSPの方は、オンライン上で営業が完了するので、かなり精神的な負担が少なく働けているのではないでしょうか。

私も、フリーランスでWebライターをしていますが、その際の営業はすべてパソコン1台で完了しています。

正直、これまでの営業の仕事は辛いことばかりでしたが、現在のフリーライターでの営業はかなり楽しいですね。

時間を気にせず、自分のペースで満足いくまで丁寧なやりとりが可能なので、こちらの営業の方が自分には合っていると感じています。

会社としても、このようなオンライン上での営業は普及してきていますので、そのような営業職であればHSPにもかなりおすすめできますね。


HSPでも営業職をやりたいなら挑戦してみるべき


ここまで、HSPの営業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

すでに営業職に就いているけどもう限界だと感じている方も、これから営業職に挑戦してみたいと考えている方も、HSPが営業職に就くことについて、改めて思うところがあったかと思います。

最後に、私が営業をする上で心がけていたことをお話しますね。

営業職において最も大事なことは、本当に必要としている人に商品を届けることだと思います。

商品に愛着がないからといって、断られたからといって、罪悪感を抱く必要はありません。

その商品が必要かどうか決めるのは、あなたではなく相手なのですから。

そして、たとえ今どんなに苦しくても、営業職としての経験は必ずどんな仕事でも活かせるときが来ます。

私も営業職が辛いと感じながら1年9ヶ月続けましたが、今もその経験はあらゆる場面で大いに活かされていますよ。

ただどうしても辛いのであれば、しっかりと逃げることも大事です。

自分の気持ちに素直になって、頑張る価値があると思う場合には胸を張って営業職を頑張ってみてはいかがでしょうか。

今回は以上です。

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