この記事では、以下のようなお悩みにお応えしています。
□止まらない物欲をコントロールしたい
□衝動買いのクセを直したい
□欲しいとすぐに買ってしまう習慣をなんとかしたい
新しい情報が次々と入ってくる現代社会において、物欲が右肩上がりになるのは当たり前のこと。
そもそも物欲は人間が本来持っている機能であり、「欲しい」という気持ちなくして生きていくことはできません。
ところが、生活を圧迫するほどの物欲や買い物への執着心は非常に厄介なもの。
我慢しようと思っても上手くいかない人が多いのもまた事実です。
今回は、意志の力に頼らず物欲を抑える18の方法をご紹介。
物欲が湧いてくる脳の仕組みを理解して、合理的に物欲と向き合える力を身につけましょう。
もくじ
- 「浪費家」と「買い物依存症」の違い
- 物欲のモチベーションと原因
- 物欲の強い人がものを溜め込む理由
- 我慢せずに物欲を抑える。超合理的な18の方法
- ①買いたい衝動に駆られる場面やパターンに気づく
- ②情報を見ない
- ③買って解決しようとする習慣をやめる
- ④迷ったら・欲しくなったら「とりあえず買わない」
- ⑤「安いから」欲しいものは買わない
- ⑥「便利だから」欲しいものは買わない
- ⑦他人の目線のためにあるものは買わない
- ⑧その「足りない」は本当か?
- ⑨いる理由よりいらない理由を探す
- ⑩買い物の選択肢を減らす
- ⑪物欲の抑止力になる大きな目標を立てる
- ⑫感情で買っていた服や雑貨は、日用品を買うくらいの平常心で買う
- ⑬断捨離で手放す辛さ・ものが少ない快適さを知る
- ⑭「ちょっと欲しいもの」を買って「すごく欲しいもの」への物欲を満たそうとしない
- ⑮財布に入れる現金を減らし、クレジットカードやキャッシュカードも置いていく
- ⑯ノーマネーデーを設ける
- ⑰安く済むものをブランド価格で買わない
- ⑱ものより体験(思い出)にお金を使う
- 物欲と上手に向き合おう!
「浪費家」と「買い物依存症」の違い
必要以上にものをたくさん買ってしまうという点で共通している「浪費家」と「買い物依存症」。
その大きな違いは、依存先にあります。
浪費家は「物」そのものへ依存する
浪費家は、ものに対しての執着が強い傾向があります。
ひとたび欲しいと思ったら、後先考えずにとりあえず買ってしまうのです。
一目惚れした服を衝動買いして、結局着ない服がどんどん増えていくという人も浪費家に該当します。
他にも、アルコールやタバコ、お菓子といった依存性の強いものから離れられず散財するケースもこれにあたります。
こうした浪費行動は、あくまでも習慣的な行動の傾向です。
そのため自分でコントロールできるという特徴があります。
買い物依存症はものを買う「プロセス」へ依存する
買い物依存症は、買ったものではなく「買う」というプロセスに依存している状態です。
ギャンブルなどに対して、熱中したり執着してしまうこともこれに該当します。
買い物をすると気分が高揚し、一時的に幸福感を感じられるため、嫌なことを忘れるために買い物を繰り返すのです。
次第に、欲しいものを買うことではなく買い物自体が目的になり、自分ではコントロールが効かなくなります。
買い物への自制心が働かないため、衝動的に欲しいものを購入して借金を繰り返す人もいます。
最悪の場合、心身にまで悪影響を及ぼすことも。
□不安感やイライラ感は買い物で解消する
□ウィンドウショッピングのつもりでも必ず買ってしまう
□買うだけ買って使わない・後悔することが多い
上記のような自覚がある人は、買い物依存症予備軍の可能性も否定できません。
買い物依存症は、自己改善が難しいケースが多いです。
もし自覚があって不安を感じている場合は、精神科や心療内科などに一度相談してみることをおすすめします。
物欲のモチベーションと原因
ものが欲しくなるという心理状態は、脳の働きによって引き起こされています。
私たちの脳で起こっている反応を理解して、物欲の抑止力につなげましょう。
物欲のモチベーション|幸福感のピークはものを買う前
私たちが物欲によって何かを欲する原因は脳にあります。
欲しいものを手に入れたとき、「ドーパミン」という神経伝達物質が脳から分泌されます。
ドーパミンは幸せホルモンとも呼ばれており、分泌されると幸福感を感じることができます。
このドーパミンによる多幸感が、次の購買行動へのモチベーション(欲求)につながるのです。
ただし、ドーパミンの効果は長くは続きません。
ドーパミンは「何かに期待しているとき」に最も分泌されやすいと言われています。
つまり、買った後のことを想像して購入を検討しているときが最も分泌量が多いのです。
購入後に使わなかったり興味が薄れてしまうことがあるのは、ドーパミンの減少も原因の一つと言えるでしょう。
物欲の原因その1|他人のものや流行に影響される「バンドワゴン効果」
□他人が持っているものを羨ましいと感じる
□行列ができている店が気になって入ってみたいと思う
□他人のSNS投稿を見るとつい真似したくなる
上記のような感情は、「バンドワゴン効果」と呼ばれる脳の反応により湧き起こります。
バンドワゴン効果とは、多くの人が支持しているものに対して「きっと良いものに違いない」と脳が判断する現象です。
流行りのものが欲しくなったりするのも、このバンドワゴン効果によるものです。
私たちは無意識のうちに、バンドワゴン効果によって物欲を掻き立てられています。
物欲の原因その2|謳い文句に惹かれる「ハロー効果」
□スーツを着こなしている人=仕事ができる人なんだろう
□雑誌に掲載されているお店=美味しい料理が食べられるに違いない
□笑顔が素敵な人=きっと性格も素敵な人だ
上記のように、目立つ特徴に引きずられて評価が歪んでしまう現象を引き起こす脳の働きを「ハロー効果」と言います。
スーツを着こなしていても仕事ができる人とは限りませんし、笑顔が素敵でも性格の悪い人だっています。
ハロー効果は「人気ランキング1位!」のような目立ちやすい謳い文句に惹かれているときも作用してます。
それっぽいキャッチコピーに惹かれてつい欲しくなってしまうのは、ハロー効果が原因だったのです。
物欲にあらがえない理由|判断にエネルギーを使いたくない脳
私たち人間の脳は、摂取したエネルギーのおよそ20%を消費していると言われています。
そのため、脳はできるだけ使うエネルギーを最小限に抑えようとしています。
これは買い物で買うか買わないの判断をしているときも同じです。
脳はできるだけ省エネで判断を済ませるために、できるだけ考えずに即決しようとするのです。
物欲に逆らえず無意識に買う選択をしてしまうのは、脳のサボり癖によるものだったのです。
ものを売るプロたちは、この脳の仕組みを巧みに利用した購買戦略を立てています。
だから私たち消費者は、巧妙な企業の仕掛けに無意識のうちに引っかかってしまう。
特に寝不足だったりストレスが溜まっていたりすると、脳が使えるエネルギーが十分でないため、より脳の判断が鈍ります。
こうなると、買い物によって分泌されるドーパミンに依存しやすいため、さらに物欲に拍車がかかるのです。
物欲の強い人がものを溜め込む理由
私たちの脳は、一度手に入れたものを手放したくなくなる習性を持っています。
これを「保有効果」と呼びます。
そのため「返品無料」というワードに釣られて購入した商品でも、返品する人はほとんどいないそう。
リスクがないように見せて購入の動機をつくる企業戦略に、まんまとハマっているわけです。
保有効果が起こる原因は、以下のような脳の仕組みにあります。
□何度も同じものに接することで好感(愛着)を抱く
□新しく手に入れるメリットよりも、所有している物を失うデメリットに注意が働く
□現状を変えることによるデメリットが現状を変えないことによるデメリットより大きいと感じ現状を維持しようとする
このような脳の思考パターンによって、私たちは欲しいものを手に入れると気に入らなくても手放すことに抵抗を覚えます。
物欲が強い人の部屋がもので溢れているのは、保有効果が原因だったのです。
我慢せずに物欲を抑える。超合理的な18の方法
物欲を抑えるために必要なのは、我慢することでもコントロールすることでもありません。
物欲が湧かないような環境・仕組みづくりをすることです。
私たちの周りには、テレビ・YouTube・雑誌といった物欲を刺激する情報が溢れています。
無意識のうちに、買い物の動機を与えられるような環境に暮らしているのです。
そんな生活環境の中で何も考えずに生活していると、販売のプロが仕掛けた罠(企業戦略)にまんまと乗ってしまいます。
ここでは、そうした物欲と戦わずに自分に本当に必要なものを判断できる方法を伝授します。
①買いたい衝動に駆られる場面やパターンに気づく
まずは、自分がどんなときに物欲を感じるのか把握しましょう。
□ストレスを感じたとき
□疲れているとき
□ウィンドウショッピングをしているとき
□ネット通販を見ているとき
□他人が身につけている素敵なものを見たとき
物欲と向き合うためには、買いたい衝動に駆られるきっかけ(原因)を見つけることが大切です。
特に、心理的な要因から物欲に歯止めが効かなくなるケースは多いです。
その原因を解決したり、原因となる行動を断ち切ることで、物欲を解消できます。
②情報を見ない
一度感じてしまった物欲を我慢するのは非常に難しいことです。
しかし物欲が湧いてこないようにすることはできます。
「情報を見ない」それだけです。
目的もなくウィンドウショッピングしたり、通販サイトを徘徊したり。
そういった習慣をやめるだけで、物欲は驚くほどになくなります。
それもそのはず。
最新コスメや流行ファッションといった情報が入ってこなくなるわけですから。
情報を入れてしまうと、そのワクワク感が衝動買いの背中を押します。
目的のお店以外は見ない。入らない。
これらを守るだけで、驚くほど意志の力に頼らず物欲を断ち切れます。
③買って解決しようとする習慣をやめる
何かが欲しいと思ったとき、大抵の人は迷わずそれを買いに行くでしょう。
買うことで「欲しい」を解決しようとするからです。
しかし実際は、自宅にあるもので代用できる場合も多いです。
欲しいと思ったら一度立ち止まって、代用できるものがないか考えてみましょう。
特に、目新しいものには興味が惹かれやすいので要注意です。
今持っているものに目を向けると、「あれもある」「これもあった」「十分持っていた」ということに気づけます。
そしてこれ以上増やす必要はないと、現状に満足できるのです。
自分の好みの傾向や買い物に失敗した原因を把握して、今後の買い物の指標にしましょう。
④迷ったら・欲しくなったら「とりあえず買わない」
目の前にあるものをひとたび欲しくなったら、とりあえず買うという選択をしていませんか?
これは「欲しい」=「買わないといけない」という心理状態になっているためです。
欲しいかどうかではなく、必要かどうかで購入を判断することが大切です。
時間を置くことで、冷静に必要かどうかを判断できます。
□どこに置くのか
□いつ使うのか
□手持ちの服・インテリアに合わせられるか
□どんな場面で使うのか
上記を想像し、どこかで引っかかる要素があった場合には勇気を持って買わない選択をしましょう。
これらが想像できない場合は、家やクローゼットなどそのものを使用するような場面を想定して、周辺の写真を撮っておくのがおすすめです。
「似たような服がある」「コーディネートしにくい」など想像を膨らませる材料になります。
⑤「安いから」欲しいものは買わない
欲しくなったきっかけが「安いから」である場合は、買わないこと。
セールや割引につられて購入し、後悔するケースは往々にしてあります。
なぜなら、欲しいものを買うのではなく「お得なものを買う」ことが目的になっているから。
安さに飛びついて買っていては、企業の思うツボです。
お得感につられるクセがある人は注意しましょう。
⑥「便利だから」欲しいものは買わない
「これ、あったら便利そう。」がきっかけで欲しいと思ったものは買わないこと。
あったら便利なものは、なくても生活できるものです。
調理や掃除用の便利グッズ、機能豊富な新作家電などもそうですね。
100均には特にこういったアイデア商品が多いです。
今の生活で何かに困っているわけでなければ、あったら便利なものは生活に必要ありません。
⑦他人の目線のためにあるものは買わない
流行ファッションや人気商品など、他人が持っているのを見て欲しくなったものは買わないこと。
それは自分にとって価値あるものではなく、「こう見られたい」という他人の目線のためにあるものです。
本当に自分のために必要なものかどうか、一度考えてみましょう。
⑧その「足りない」は本当か?
□ストックが足りない
□収納が足りない
それ、本当に足りていませんか?
あるのが当たり前になっているものには、なくても生活に支障がないものも隠れています。
別のもので代用することができれば、これまでと同じように生活ができます。
ものを減らせば、収納だってこれ以上必要ありません。
ないことに不安・不満を抱くのではなく、今あるものが必要かどうか見直すことも大切です。
「足りない」を満たすことで解決しようとしても、その「足りない」はまた必ずやってきます。
「足りない」と思ったら、本当に必要なものなのかよく考えてみましょう。
⑨いる理由よりいらない理由を探す
「欲しい!」という衝動に駆られると、無意識に買う理由を作りがちです。
□仕事を頑張ったご褒美だ
□せっかく安くなってるし
□限定だから今買わないと
□念のため買っておこう
□ないよりあった方が良いよね
欲しい衝動に駆られて興奮状態になったら、一度冷静になって「いらない理由」を探してみましょう。
□今あるもので代用できないかな
□そういえば、前にも同じようなのを買ったな
□便利だけど、別になくても生活してこれたしな
⑩買い物の選択肢を減らす
新製品の発売が絶えず、何を買おうにも選択肢が非常に多い時代です。
豊かな暮らしに恵まれていると感じる一方で、何も考えずに生活していると情報に流されやすい環境でもあります。
私たちは、日々たくさんの情報の中で生きています。
「欲しい」という欲求が尽きないのは、入ってくる情報が多すぎることも原因の一つです。
そこであえて、選択肢を減らすことをおすすめします。
例えば服。
服のブランドは数え切れないほどあり、行く先々で一目惚れをすることも多いでしょう。
自分がよく着るお気に入りのブランドに限定して服を選ぶと、選択肢が絞られるので無駄遣いにつながる物欲を抑えられます。
服の色や系統を限定するのもおすすめです。
⑪物欲の抑止力になる大きな目標を立てる
目の前の物欲を抑えるためには、それ以上に大きな欲求を持つことも効果的です。
□海外旅行に行く!
□全身脱毛する!
□何年も欲しかったギターを買う!
ものが欲しくなるたびに、上記のような金額の大きな目標を思い出しましょう。
突発的な散財を防止する効果が期待できます。
⑫感情で買っていた服や雑貨は、日用品を買うくらいの平常心で買う
物欲に任せて興奮状態のまま買い物をすると、必ず判断力が買う方に偏ります。
気持ちが高揚している状態では、脳が正確な判断をできなくなるのです。
望ましいのは、日用品を買うときと同じくらいの平常心で服を選ぶこと。
服の買い物基準も、日用品と同じであくまでも必要かどうかです。
平常心でものと向き合う練習をしましょう。
⑬断捨離で手放す辛さ・ものが少ない快適さを知る
買うのは一瞬でも、いつか手放すときには必ず心苦しさと後悔と苦労が伴います。
しかしこうした手放す経験は、必要以上の無駄遣いを節制するきっかけにもなります。
捨てるときの手間や時間、心理的ストレスを知っている人は、衝動買いとも冷静に向き合えるようになるのです。
そしてスッキリとした部屋に住んでいるだけでも、ものを買う場面でも自然と「どこに置こうかな」「これ以上は増やしたくないな」といった思考になれるので、ものが無闇に増えません。
ものが多くて物量を把握できていないと、ものを増やすことへの抵抗がなくなり、その分物欲も増していくのです。
まだ断捨離を始めていない方は、ぜひこれを機に挑戦してみましょう。
⑭「ちょっと欲しいもの」を買って「すごく欲しいもの」への物欲を満たそうとしない
大抵の場合、すごく欲しいものは価格もそれなりにするものが多くて、なかなか手が届きません。
それに比べて、ちょっと欲しいものは比較的安価で手に入れやすいため、それほど考えずに買えてしまいます。
このちょこちょこ買いの行動が、浪費を加速させる原因の一つです。
ちょっと欲しいものをたくさん買って満足しても、すごく欲しいものはずっと手に入らないまま。
つまりその物欲はなくならず、またちょっと欲しいものを買ってその物欲を満たそうとする負のループに陥ります。
ちょこちょこ買いのクセは、自分が本当に欲しいものを手に入れるためにも見直しましょう。
⑮財布に入れる現金を減らし、クレジットカードやキャッシュカードも置いていく
予定外の買い物を防ぐために、買い物の予定がない日は財布の中身を最低限にしましょう。
特に衝動買いをしやすい人は、手元に現金を引き出せるカードを持つこともNG。
徹底して、お金が出ていかない環境を作ることが大切です。
⑯ノーマネーデーを設ける
意識的にまったくお金を使わない日「ノーマネーデー」を増やすことで、無駄遣いを阻止できます。
特に毎日コンビニでコーヒーを買う人や、休日に必ずショッピングに出かける人には効果的。
ゲーム感覚でノーマネデーの達成日数を増やしていけるため、物欲も自然と抑えられます。
⑰安く済むものをブランド価格で買わない
有名ブランドや大手メーカーの製品は、知名度があるため信頼性も高いです。
しかしノーブランド品にも、十分な機能やデザイン性を持つものはたくさんあります。
高い方が効果が高い、デザインが良いと考えるのは、企業への認知度や信頼性による偏見です。
知名度などの影響による先入観でものを選ばずに、そのものに求める必要十分な機能やデザイン性が備わっているかどうかで商品を選ぶこと。
これだけで、有名ブランドの影響力による物欲を抑えることができます。
⑱ものより体験(思い出)にお金を使う
同じお金を使うなら、ものよりも体験にお金を使った方が損をした気分になりにくいと言われています。
今まで物欲に払っていたお金を思い出代として有意義に使ってみてはいかがでしょう。
物欲と上手に向き合おう!
今回ご紹介したように、物欲は正しく向き合えばコントロールすることも可能です。
私がミニマリストとして生活できるようになったのも、物欲の仕組みを理解したからです。
意思の力ではどうにもできないことも、このように合理的に対処することで解決できるケースは往々にしてあります。
18の方法のうちできることから始めて、物欲による無駄遣いや買い物依存を防ぎましょう。